株式投資入門

猫でもわかる株式投資の仕組み

効率的市場仮説について 

今回は、すべての投資家を絶望させる「効率的市場仮説」について解説します。

 

効率的市場仮説とは

効率的市場仮説は、シカゴ大学の教授によって提唱された仮説で株価は現在知りうるすべての事情を反映しているという理論をいいます。つまり、ある会社に悪いニュースがあると、投資家はその事情を考慮して株を売り、株価が下がる。逆に良いニュースがあると株価はあがる。そして、会社の本質的な価値と株価がずれていた場合、株価が安ければ投資家が株を買って株価は上がるし、株価が高ければ投資家が株を売って株価は下がる。このように市場原理によって株価と会社の本質的な価値は一致するという理論をいいます。

 

投資家からみた効率的市場仮説

効率的市場仮説は、株で利益を得ようとする投資家にとってはきちんと考えなければならない問題です。なぜなら、この仮説が正しいとすれば、株価を予測することは不可能であり、すべての株式の売買は、「ギャンブル」になってしまうからです。

 

効率的市場仮説に対する反論

効率的市場仮説に対しては様々な反論がなされています。

まず、反論としてあげられるのは、市場は効率的でないということです。実際に、株を買う人は、全員が会社の将来の業績を厳密に予測して売買しているわけではありません。

また、実証的に反論する方法として、株価は特に新しいニュースが無くても日々変動しているということがあります。つまり、会社の本質的な価値は、日々それほど変わるわけではありません。それにもかかわらず、株価が日々変動しているということは、会社の価値よりも株価が割安になることもあれば、割高になることもあるということです。

 

まとめ

効率的市場仮説は、あくまでも実際の経済を「モデル化」した仮説なので、実際には投資のチャンスはあると考えてよいでしょう。しかし、「モデル化」もある程度実際の経済を説明するものであります。市場には安い時に買って高いときに売ろうとする投資家たちがたくさんいるのは事実なので、市場で儲けるためにはほかの投資家たちよりもなんらかの意味で優れた投資判断をしなければなりません。投資家としては、市場で勝つためには優れた投資判断をする必要があるという教訓として効率的市場仮説を考えておくとよいでしょう。