株式投資入門

猫でもわかる株式投資の仕組み

キャッシュフローと利益について

キャッシュフローと利益は、どちらもよく聞く言葉ですが、どう違うのでしょうか。

今回は、キャッシュフローと利益の違いについて解説したいと思います。

 

利益とは

一方で、利益とは、会社がその年にどれくらい良い業績をあげたか、どれだけ株主の価値、純資産を増やしたかというのを示すものです。 

 

キャッシュフローとは

キャッシュフローとは、キャッシュ(=お金)のフロー(=流れ)という言葉の通り、お金の流れを表したものです。

イメージとしては、会社の通帳に振り込まれたお金と、会社の通帳から支払ったお金を考えて、通帳の数字が増えたか減ったかということです。

 

 

キャッシュフローと利益のズレ

基本的には、利益も増えるとキャッシュフローが増えることとなります。でも、利益とキャッシュフローは完全には一致しないし、会社によっては、全然違う数字になることもあります。これはなぜでしょうか。

答えは、利益というのが計算上の数字にすぎないということです。

例えば、会社がお客さんに物を売ったとします。でも、もし支払いが後払いだとすると、現金は入ってこないことになります。それでも、売買契約があった時点で、会社は売上を利益の元として計算します。この売上が、会計の基準日までにお客さんから振り込まれない場合、利益の計算では代金が含まれるけれど、キャッシュフロー上は代金が増えていないという状況になるのです。

また、利益とキャッシュフローが大きくずれる例としては、設備投資を上げることができます。会社が新しく工場を建てて建築会社にお金を支払った場合、キャッシュフロー上は大きなマイナスとなります。でも、利益というのは、会社がその年にどれくらい良い業績をあげたか、どれだけ資産を増やしたかというのを示すものです。たまたまその年に設備投資が必要だったからといって、その年だけ業績が悪かったということにはなりません。そこで、建てた工場は、「資産」として計上して、古くなっていった分だけ「減価償却」するという計算をするのです。

 

どちらを重視すべきか

利益は会社の資産の増加を示すもので、その年に設備投資をしたかどうかといった事情で大きく変化しないものなので、長年の会社の業績の推移について調べる上で、キャッシュフローよりも分析しやすい指標といえます。

もっとも、利益は、実際のお金の流れではなく、計算上の数字に過ぎないので、会社がもうかっているように見せかけることもできるのです。たとえば、会社がお客さんに物を売った後、お客さんのお金が無くなって払える見込みがなくなったとします。それでも、その売上は、利益の計算に使われてしまうのです。

一方で、キャッシュフローは実際のお金の流れなので、会社の経営陣がごまかすことは難しいです。なので、しっかりと会社について分析したいときには、利益だけでなくキャッシュフローにも注目するとよいでしょう。